Wednesday 11 November 2009

A day to remember


こちらオーストラリアでは今日はRemembrance Dayという日で、戦争で亡くなった方々を想う日です。11月11日の朝11時に1分間の黙祷をするのが一般的になっています。

今日の朝は薬剤部で調剤をしているときに頻繁に見かけた名前が自分の病棟に入院したのに気付いたことから始まりました。退院したのは数週間前、今回は輸血のための入院との事でした。今年の4月頃に急に血液の病気を発症し、それ以降入退院を繰り返している54歳の女性です。骨髄移植なども含め血液関係の疾患を扱う病棟は他にあるので、この女性が自分の病棟にいることが正直、ちょっとドキドキでした。というのも、血液疾患の病気には詳しくないし、専門病棟は、血液学を良く知る薬剤師が受け持っているためです。その病棟が満員で、その為に私の受け持つ病棟の空いているベッドに入院した感じです。

静かに始まった1日は、けたたましいアラームで急変しました。このアラーム、患者さんが緊急状態に陥ったときに病棟中で響き渡り、天井のランプを頼りに病棟にいる全員のスタッフがその元に集結する仕組みになっています。このアラーム心疾患系の病棟では頻繁に鳴ります。慣れるものです。でも私がいるのは外科病棟。重症患者さんは皆無です。アラームが鳴れば、エラーのことがほとんどです。

でも今回は違いました。上記の女性が、医療チームが患者さんを見に来ている間に急変したのです。ミニジェットと言われる注射があって、箱から出してプスッと刺すだけで1回分の蘇生に必要な薬が患者に注入される注射があって、そういう場に慣れた医療チームがその場にいたことも功を奏しすぐに蘇生されましたが、その間にもそのミニジェットが切れてしまい、私が薬剤部に電話して早急にもっと送ってもらったりと、こういう緊急事態は初めての経験だったので頭が真っ白になりそうな中を頑張りました。頑張って意識を集中しないと放心状態になってしまいそうでした。

この患者さん、午後にカルテを見てみたら、全部の薬が中止され、モルヒネだけの投与に代わっていました。末期の患者さんへの処方へと変わったのです。午後は遠方から息子さんを呼ぶために、心臓が弱ってきたときに助けてあげる薬だけ、2日間分だけ病棟へ送りました。

死に行く人を見るのは、ここで働き始めてからは残念ながら初めてのことではありません。でも毎回毎回、忘れた頃にそういう方にお会いするのでその度にズッシリと応えます。慣れるのは嫌ですが、慣れないとやってられない、とも思います。救急病棟や、集中治療室を担当する薬剤師は慣れるのかな。

明日まで持ち応えられるのか、現在は見守っている状態です。

朝の1件の後、先輩がやってきて私のやった仕事を確認しているときに、時計を見て「あ、忘れちゃった」と一言。気付けば11時11分。11分過ぎてしまったけれど、全ての人の心が安らかでいられるよう、5秒ほどだけ(仕事中に、特に今朝の状態で1分は無理だった)ですが、祈りました。

今晩Hubbieはアルバートと飲みに出かけました。
私は一人で熱いお風呂にでも浸かろうかな、と思います。


PS この女性の患者さん、
このブログを書いた夜にお亡くなりになりました。
この夜から次の日にかけて
薬剤部の知るところ4人の方が亡くなりました。
安らかにお眠り下さい。



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