Wednesday 22 September 2010

複雑な気持ちになった朝。

昨日の朝は普段通りに1日が始まり、新たに入院した患者さんを中心に見て回りました。

現在担当の病棟には、神経科、神経外科、脳梗塞科、脳外科などがあります。患者さんの主な年齢層は50代以上、時々怪我やてんかんの症状で若い患者さんもいらっしゃいます。

昨日はまず47歳男性。とても健康な普通な男性だったそうです。少し前に脳に障害を負う怪我をし、性格が様変わり。違う病棟にいたのですが、2度ほど抜け出し、自殺を図ろうとしたために、病棟の入り口に鍵のついている私の病棟に移ってきました。すっかり暴力的になってしまい、昨日はセキュリティーガードも呼ばれました。

次は37歳男性。男の子が3人いる良きパパでもあるトラックの運転手。脳出血を起こし、地方の病院から転院してきました。今のところ、身体の半分がほぼ動きません。食事も薬の投与も鼻のチューブを通して。子供は親に見てもらい駆けつけた奥さんもどうすれば良いかわからず呆然。一生懸命泣かないようにしてるのが分かって、私も辛かったです。

最後は16歳、至って普通の女の子。アジアンバックグラウンドと思われるドイツ人。家族で旅行にやってきてシドニーハーバーブリッジを上ろう(こちらで人気のアトラクションです)としていたところで脳出血。現在はほとんど意識もなく、そんな中でも吐き気があるようで体は吐くように動くので、ナース3人がかりで上半身を起こして嘔吐物が肺に入らないようにしたり。頭も手術をしたため坊主。家族は毎日部屋で付き添っています。
なんだかこの女の子を見るたびに辛くて涙が出そうになります。私が16歳の頃は何してたかな、こんなこと思いもしなかったろうな、とか。

とてもずっしり重たい朝でした。
早く各々が少しでも回復することを病棟の皆が祈ってます。
そして自分が健康であることに感謝。

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2 comments:

  1. eukybearさん、
    すごくこの「重たい」気持ち分かります。病気とは全く無縁だった私が突然去年入院した時(AFだったんですが)、「普通であること」のはかなさを痛いほど実感しました。
    最初の数日間ICUにいた時、いろんな症状の人達が次々に運ばれてきて、しかもみんな命のぎりぎりを保っている所にナースやドクターが次々と冷静に処置していくのを見て、医療関係者への尊敬度がますます高まりました。(ほんと、私はこれについて語ると熱いです!)
    きっと昨日はお疲れだったでしょうね、産休までの最後の数日、無事に終わるよう祈っています。

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  2. Tomomiさん、
    ありがとうございます。
    AFで入院されたなんて大変でしたね。しかもオーストラリアでだったら、ご家族も余計に心配されたのではないでしょうか。最近のおかげんはいかがですか?

    自分は元気だけが取り柄のような人なので、当たり前ですが病院で働き始めたことで重症な方々と接することも多くなり、結構普段涙もろい私には向いてないかも、と思ったことも。でも人間感情があって当たり前、毎回自分の最善を尽くすだけだ、という先輩の言葉に励まされ、勉強の日々です。

    薬剤師は直接患者さんに手を触れることがないですが、会話や薬剤を通して患者さんやご家族の様子を伺い、また医療チームの手助けができるように皆頑張っていると思います。公立病院の場合は特にだと思うのですが(お給料は決して良くはないので。笑)、熱意のあるスタッフも多く、喜びも悲しみも分かち合えるそういう環境にいる自分を幸せに思います。

    ちなみに上記の16歳の女の子、嘔吐が少なくなり、昨日リハビリが始まりました。ほとんど身動きできませんが、声には反応し、指を少し動かすようになりました!普段の生活に戻るには小さな小さな一歩ですが、私たちにとっては喜びいっぱいのひとときでした。

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